2015/03/17

ガスは必須インフラじゃない

 一人暮らしの賃貸LPガス(プロパンガス)住居向けの情報です。
 まず、ガスは自由契約(任意契約)で入居後に必ず契約しなければならないというものではありません。そのため、値段に不満があればガス会社と交渉することもできます。もちろん大家さんや使用されないまま経年劣化する給湯器を抱えるガス会社とトラブルになりかねませんので適正な価格を提示されるのであれば契約すべきでしょう。
 しかし、あまりに価格が高いのであればガスを契約せず、カセットコンロで賄うという対抗手段もとれます。生活上ガスは食事と風呂でしか使用しません。であれば、別の方法で食事と風呂に入れればガスを契約する必要はなくなるわけです。

# 食事

 食事についてですが、カセットコンロかIHヒーターを使用します。ただし、後述するように下手な調達手段だとガス代より高価になる可能性もあるのでよく計算しましょう。


# 風呂

 風呂についてですが、アウトドア用のポンピングシャワーを使います。冬場は寒い思いをしますが、ちょっと熱めのお湯を用意して、首筋から肩にかけて3Lぐらい浴びてみてください。人間の寒暖を判断する場所なので寒い感覚は軽減するはず。
 試したことはないですが、水を浴槽の半分ぐらいまで溜めて、熱帯魚用の500Wヒーターをバスタブにつけて水温を上げるという手法も考えられますが、1段階目の電気メーターが余っていない限りは難しいでしょう。仮に実行する場合には断熱シートを風呂蓋代わりにして熱をなるべく逃がさないようにするべきかと思います。
 風呂用のお湯を用意するときは電気ケトルがあれば楽です。私が持っているケトルだと1250Wで、1Lのお湯を5.5分(実測)で沸かします。1kwh=22円換算だと10L/hで1.25kwhになるので、シャワー一回で約28円ぐらいになります。このお湯をポリタンクに溜めておいて40℃ぐらいまで水で嵩増しします。夏場ならば18Lぐらい、冬場ならば14Lぐらいまでは確保できると思います。一定量確保するまでの間に温度が下がると元も子もないので、保温効果があるポリタンクカバー・ポリタンクケースを用意しておくと確保できるお湯の量も増えますのでお勧めです。


# ランニングコストについての考察

 カセットコンロのガス使用量はイワタニのカセットガスで1本あたり、Amazonだと160円ぐらい。1週間で1本ぐらいのペースになると思うので、4週間で640円。シャワー用のお湯もカセットコンロで沸かすと週2本ぐらいのペースになると思うので、4週間で1,280円。
 電気ケトルで1日一回シャワーを浴びたとすると、26円*30日で780円。合計で1,420円。
 一応1,280円の安いほうで比較していきます。
 プロパンガスだと、安いところで基本料金1500円の従量単価@300円ぐらいかな?1ヶ月2m^3ぐらいで計算すると2100円。
 月あたり820円の圧縮になります。年間換算で9,840円ですね。10年間なら98,400円の圧縮です。
 月々あたりで見れば、そこまで劇的な改善ができていません。元々2100円しかないところからの節制なので大きな数値がでなくて当然ですが。風呂に使用するお湯をもっと少なくできる工夫をすればもっと減らせそうですが、切り詰めすぎると恒常的に使用することが難しいプランになってしまうので、1,200円/月ぐらいまで切り詰めることがせいぜいでしょうか。
 上記はLPガスとしてはかなり安い例なので、それなりの値段の例として、月々基本使用量1800円+従量単価@500円という物件の場合を考えて見ます。
 先の例と同じ使用条件だと月々2800円。この例の場合だと月あたり1,520円の圧縮になります。年間換算で18,240円ですね。10年間なら182,400円の圧縮です。
 LPガスの契約条件が悪ければ悪いほどLPガスは契約しなくてもいいという選択肢が強くなってくるかと思います。
 但し、ここまで切り詰めなくてもすぐに洗い物・風呂に使用できるお湯を使えるという利便性と引き換えに差額は仕事をがんばって払えばいいという考えを取るというのも十分ありな選択肢かと思います。

 ガス契約しないことについて、強いてメリットを上げるならば、この方式だとプリペイドと同じで、今あるガスを使い終わったらそれ以上の金額が加算されないという安心感を持てることでしょうか。後は業者の都合に振り回されなくてもよくなること、賃貸物件を探すときにガスについて考慮することがなくなることが挙がるかと思います。
 プロパンのガス代というのは、色々な名目で変動します。傾向としては冬の間は割高になっているように感じます。それに比べれば、カセットガスだと自分で安いときに買いだめしておくことができるので、値段的には安定して使用することができます。